路上第123号(2012年7月10日発行)

路上第123号表紙

路上第123号
(2012年7月10日発行)76頁 500円(税込)

「路上」123号を刊行しました。

今号の「招待席」は、まず「25首詠」の佐藤祐禎氏。佐藤氏は大熊町の住人で、すでに原発を身近にした歌を作り続け、『青白き光』を刊行しています。このたび、「いりの舎」から復刻版が出ました。佐藤氏は現在いわき市に避難生活をしています。そういう環境のなかで生まれた「放射能絶えず」です。一首紹介します。

遺書を書くべきも原発に家屋敷土地奪はれて一物もなし

もうひとり、佐藤陽介氏は須賀川在住の若手歌人。リリシズムを大切にしている、現代歌人ではめずらしい存在です。10首詠「海を重ねて」から一首紹介します。
早春のひかりのなかを次々と濡れて路面にたどり着く雪

今号は、佐藤姓の書き手だけになりましたが、それはたまたまです。東北には佐藤姓がかくも多いのです。
その他、私の「往還集123」、「冬眠通信1~24」、50首詠「ペースメーカー」、仙台文学館ゼミナール「宮沢賢治を読む」第四回「『注文の多い料理店』を読む(1)」があります。
「冬眠通信」は、私が担当している短歌講座で、冬季に配っている通信です。その4年分を掲載しました。
賢治講座は、今回、『注文の多い料理店』の概論と、「どんぐりと山猫」論を掲載しました。毎年3~5回行っている講座、いつも定員いっぱいの熱気です。その雰囲気をお伝えできればと思います。

次号「路上」は11月初旬刊行予定。いつもどおり、必要部数ぎりぎりしか刊行しませんので、確実に入手されたい方は、予約購読をお願いします。