【往還集147】7 海

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この作品は、ペストが蔓延し、外部と遮断された都市で悪戦苦闘する医師リウーが主人公。コロナ騒動になってからすぐに思い起こしたのは、驚くばかりに近似しているからです。
私がこの1冊のなかで鮮やかに記憶しているのは、ペストとの苦闘の最中、同僚のタルーと海へ泳ぎに行く場面です。新潮文庫、宮崎峯雄訳(382頁)から引用します。

「リウーは仰向けになり、いちめん月と星影ばかりの空にさかさまに相対して、じっと身を動かさずにいた。彼はゆっくりと息を吸った。次いで、次第にますます明瞭に、夜の静寂と寂寥のなかで異様にはっきりした、水を打つ音を聞きとった。タルーが近づいて来、やがてその息づかいまで聞こえるようになった。リウーは向き直り、友と同じ線に並び、同じリズムで泳ぎ出した。タルーは彼よりも力強く進んで行き、彼は調子を早めねばならなかった。
(3月16日)

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