【往還集145】16 「残酷なほど新鮮な光景」

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詩の同人誌に「左庭(さてい)」があります。
その42号の、山口賀代子「外科病棟 C308号室」にとりわけ引きつけられました。
詩の背景について山口さん自身が「つれづれ」に記しています。
先天性股関節変型症が辛くなり、21日間の入院・手術・リハビリをする。隣室には見舞客が来たらしく、笑い声が上る。自分も廊下に出たとき、客たちを目撃する。
その模様はつぎのように描かれます。

廊下へでると たくましい肉体の見舞客たちが
隣室からでてくるところでした
命漲らせ
若さを滴らせ
しずまりかえった外科病棟で
それは残酷なほど新鮮な光景なのでした

ここには病者側と見舞い者側の落差が、静かながら、鋭利にとらえられている。ベッドに仰臥している側からは、外来者が命漲らせている存在と映る。
こういう光景は病院に典型的に生じますが、ふだんの外界にも日常的にあるにちがいありません。
(6月24日)

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このページは、管理者が2019年6月24日 16:29に書いたブログ記事です。

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