【往還集144】12 なぜ彼女は犬に生まれ

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汐海治美(しおかいはるみ)詩集『犬について私が語れること十の断片』(風詠社)は、10年余を共に暮らしてきた桃ちゃんについての作品です。
作者は難病にかかり、抱っこもできなくなる。
すると桃ちゃんは嫌われたと思ったらしい、自分への態度も変ってしまう。
これは切ない、犬にとっても自分にとっても。
「私も犬も十分に生きたよ夏木立」にはこういうフレイズもあります。

「なぜ彼女は犬に生まれ/なぜ私は人間に生まれたのか/は/永遠に謎のまま」

子ども時代犬を飼ったことのある自分にもこの感覚がよくわかります。
マリーと日向ぼっこしながら「どうしてマリーは人間に生まれなかったの?自分とどこですれちがったの?」と思いながら首や背をなでなでしました。
マリーはうっとりと目を細めているだけでしたが、

「犬に生まれただけでじゅうぶん、すくなくとも人間だけはごめん」

といいたいような表情でした。
(1月14日)

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このページは、管理者が2019年1月14日 21:48に書いたブログ記事です。

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