【往還集143】10 百花譜

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草花で連想されるのは、木下杢太郎の『百花譜』です。昭和18、19、20年といえばいよいよ戦況厳しい時代。灯火管制の下で植物を描く。その数は870枚にのぼり、腕前もほとんどプロ級。
ところで歌人前田康子さんのエッセイ「花の歌 歳時記」を読んでいて福永武彦に『玩具亭百花譜』があると知りました。
これは見たことがない。
取り寄せたら、3巻本。体調を崩して信濃追分の山荘に静養し、草花を描いていったという。
福永武彦といえば池澤夏樹の父親であり著名な作家。
3冊も刊行するとは相当の腕前だろうと開いていったら、こちらはずばりヘタ。
よくいえば素人の味わい。
じっさい、開くにつれて味が湧いてくるから不思議です。
草花に向かい合っているときは、病のつらさも忘れたといいます。
私も最近になって周辺の草花へ心が寄っていきます。
そのうち、「ずばりヘタ」でもいいから、描いていきたい。
(7月23日)

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このページは、管理者が2018年7月23日 11:54に書いたブログ記事です。

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