2018年5月アーカイブ

【往還集142】10 〈ひとり〉

私は声帯が弱く、カラオケも不得手。その分、歌番組を見るのは好きで、何曜日には何々があると書きとめて視聴しています。
夕べも久しぶりの「上を向いて歩こう」。
この歌といえば坂本九、そして日本航空123便がすぐに連想されます。
1985年8月12日。
私はお盆休みで水沢の実家に1泊し、翌朝早く車で早池峰山へ向かっていました。
ラジオからは乗客のほとんどが絶望的なこと、坂本九も行方不明であることが伝えられます。
こちらは涙を拭きながらの運転。
遺体の確認されたのは、登山を終わって帰宅した数日後です。
死亡者は524名中520名。
坂本の死はとりわけ大きく報道されました。他の遺族が悲しいのはこちらだって同じだと不満をもらすほどに。
それはもっともなこと。
けれど最期の場面に直面したとき、有名・無名を問わず、すべての人が等しく〈ひとり〉なのだと、ひそかに反芻しつづけてきました。
(5月1日)
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